灘の酒、そのうまさの秘密/風土


六甲山系に抱かれた銘酒の故郷

灘の名酒は六甲おろしのたまもの。

東西に長く伸びる酒蔵 北向きの窓から冷気を取り入れる

 灘の地は、冬になると六甲おろしの寒気をまともに受けます。現代のような空調設備がなかった時代、清らかなお酒造りには、この低い気温が必須条件でした。灘の酒蔵はみな、棟を東西に長くのばし、窓を北向きにとって、この寒気を存分に取り入れられるよう、工夫されていたのです。


六甲の山々に抱かれて

大関酒造今津灯台
名酒を送り出してきた今津港
  また、灘の酒蔵は、灘五郷と呼ばれるように、今津郷、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷と、阪神間の海岸線に沿って、飛び石のように点在しています。これらの土地は六甲山系の急流が作り上げた砂州なのです。そこでは砂州を流れる夙川、芦屋川、住吉川といった川の流れを利用して水車を使って精米をすることができました。水車を使うと、従来の足踏み精米の八分搗(づ)きに対して、2割前後にまで精米度を高められ、しかも大量に精米することができました。そして、海岸沿いに並ぶ蔵からは、船を使って、出来上がった酒を大消費地の江戸へ大量に安く運ぶことができました。

 このような絶好の立地条件に、宮水、山田錦、丹波杜氏、樽に使う吉野杉などの良材が集まり、灘の酒は大きく飛躍していったのです。



(灘の酒、そのうまさの秘密)



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