灘の酒、そのうまさの秘密/技


杜氏(とじ・とうじ)
磨かれた技が競い合う

灘の酒の味の伝承者として、杜氏の責任は重い。

機械化が進む酒造り
 杜氏は酒蔵で働く蔵人たちの長として全責任を持って酒造りにあたる工場長のような存在です。現在、全国に24の杜氏組合があり、約7500人の組合員がいます(うち、杜氏は約1500人)。

 灘五郷の蔵人には兵庫県丹波地方の出身者が多く、丹波杜氏として有名です。杜氏によって酒造りの方法には違いがありますが、丹波杜氏の酒造方法は硬水に適していたため、灘の酒造りにぴったりだったのです。

酒の出来具合を確かめる
 蔵人には職階があり、杜氏を頂点として、頭(かしら・杜氏を補佐。もと廻り以下の蔵人を指揮して日々の作業を管理する)、衛門(えもん・麹造りの主任者)、上もと廻り(うわもとまわり・もと作りの主任者)、下もと廻り(したもとまわり・上もと廻りの補助)、内道具廻し(うちどうぐまわし・蔵の中で使う道具類の整備と手配)、外道具廻し(そとどうぐまわし・屋外で道具類の洗浄や仕込み関係以外の容器の整備)釜屋(かまや・釜を焚いて蒸しを行う)、上人・中人・下人(じょうびと・ちゅうびと・したびと、頭の指揮により蔵の雑用を行う)などに分かれていました。

仕事の合間にくつろぐ
 蔵人として酒造りの世界に入ってから、杜氏として一人立ちするまでには長年の経験を積まねばなりません。また、約半年間もの間、昼夜の区別なく神経を使う作業を続ける中で、多くの蔵人たちをまとめていく人望も欠かせません。それだけに杜氏に対する蔵人たちの信頼は厚く、その権限は強いのです。最近では酒造りにも機械化が進んでいますが、灘の酒の味の決定者として、今も未来も杜氏にかかる責任は重いのです。


(灘の酒、そのうまさの秘密)



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